不謹慎かもしれませんが、台風がくると深夜NHKで流れる「台風情報」の選曲に耳をうばわれることがよくあります。これがなかなかいいんですよね。ピアノものが多いんですが、災害情報を配慮した、暗くなく、親しみやすい心落ち着く美しいメロディが多いようにみうけられます。このアルバムを聴いてまっさきに思い浮かんだのはそんなシチュエーションでした。とても親しみやすい小曲が29曲詰まったHenning Schmiedtのピアノ・ソロ・アルバム。聞くところによるとタイトルの"Spazieren"は「散歩」という意味だそうです。ジャケット写真のような、森の小道にやわらかな陽光のように降り注ぐ優しいピアノのメロディ。
※アルバムの最後に収録された『Libelle stille andacht 11.3.2011 』は、東日本大震災後に改めてHenningが追悼の意味をこめて録音したものだそうです。