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Oreka TX / Quercus Endorphina

スペインはバスク地方の木製打楽器チャラパルタを操るユニットOreka TXの2001年作。プロデュースはケパ・フンケラ。マダガスカルのヴァリハ奏者ジュスティン・ヴァリをはじめとしたスコットランドやケベックのミュージシャンをゲストに迎え、森の妖精たちの舞踏のような不思議な音色を奏でてくれます。なんだかブラジルの創作楽器集団ウアクチを想い出してしまいました。

blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 05:08 * - * - * - -

Henri Salvador / Tant De Temps ★

フランスの"粋な男"というと真っ先にこのひとを思い出してしまう。アンリ・サルヴァドール。フランス領ギアナ生まれ、ジャンゴ・ラインハルト、ボリス・ヴィアン、ミシェル・ルグラン等と共演し、アントニオ・カルロス・ジョビンにも影響を与えたというミュージシャン&コメディアン。4年まえ90歳でこの世を去った。ぼくは以前オーチャード・ホールで行われた彼のショウを見に行ったことがある。なんだろうこの「潤い」はとおもった。中南米の齢を重ねたミュージシャンには体力の衰えと反比例して声に「潤い」が増してくる。彼らは齢を重ねることの楽しみを知っているのではとも思う。
本作は90年代の未発表音源を中心に、晩年の復活劇を飾った名作 "CHAMBRE AVEC VUE" を手がけたバンジャマン・ビオレーが、新たな編曲を施し日の目をみることになった全11曲。 "CHAMBRE AVEC VUE" とはまた一味違ったビオレーのアレンジメントがアンリの潤いのあるうたごえにまたもや華を添える。
 
blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 05:41 * - * - * - -

Macaco / Mensajes Del Agua ★

 2005年『愛・地球博』関連で来日経験のあるスペインはバルセロナ出身のDani Carbonell(Ojos de Brujoに在籍していたそうです)率いる多国籍バンドバンドMACACO。レゲエをベースに、南米〜アフリカ〜ヨーロッパ等多国籍なエッセンスをのせたミクスチャーサウンドに、スペイン語カタラン語を中心にしたDani Carbonellの歌ごえでまとめあげたサウンドは、ポップでとても耳馴染みがいいです。
本作は過去の6作品からのセルフ・カヴァー・アルバム。アルゼンチン盤。ユッスー・ンドゥール、セウ・ジョルジ、ホルヘ・ドレクスレル等参加ゲストも豪華。
blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 16:45 * - * - * - -

Thomas Mery / Les Couleurs, Les Ombres ★

フランスのフォーク系シンガー・ソング&ライター、Thomas Meryの5年ぶりとなる2ndアルバムがown recordsからリリースされました。といっても過去の作品はまったくしりません。しかしこの作品、フランス語や英語による陰影に富んだThomas Meryうたごえもいいんですが、そのアレンジメントと音の佇まいが素敵です。音数も少なく静謐でいてエモーショナル。ギター、ベース、ドラムスを軸にクラリネットやトランペット等「音響」の入り方もいいですね。マスタリングはもちろんTaylor Deupree。夏真っ只中に、こんなに秋色に染まってしまうなんて、思いもしませんでした。
blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 15:19 * - * - * - -

Rita Marcotulli / The Woman Next Door ★

フランスの地方優良レーベルLABEL BLEUから、98年に発表されたイタリアの女性ピアニスト、コンポーザー&アレンジャー、Rita Marcotulliの名作"The Woman Next Door "。
カルロス・アギーレ"crema"やアンドレ・メーマリ"...de arvores e valsas "等と並ぶ僕の心の名盤のひとつです。
タイトルはトリュフオーの81年の同名の映画から。トリュフォーをはじめとする映画や文学、絵画作品などからモチーフを得たコンセプチャルな作品です。その背景がわかれば、ぐっと世界観も広がるとは思いますが、その音楽だけでも充分堪能できる素晴らしいアルバムです。

映写機が回りだす音とオーケストラの調音からはじまりStefano di Battistaの目の覚めるようなソプラノ・サックス・ソロで冒頭を飾る"Le Cinema Est Le Cinema"(1)。ワルツを基調にEnrico RavaとStefano di Battistaによるアンサンブル&ソロ"Les 400 Coups "(2)。アフリカン・パーカッションにJavier Girottoのサックスが駆け抜ける"Escape"(5)。悠久のフォルクロリカルな笛の音から様々な言語が立ち現れ、ダンサブルな展開をみせる"Masse Di Memoria"(6)。Aldo Romanoと子供たちの歌による小粋なボサノヴァ"Les Enfants S'ennuient Le Dimanche"(8)。モールス信号からインドのヴォーカル・パーカッション~タンバリンそしてヴォーカル・アンサンブルへと展開する"Antoine Doinel"(9)。ピアノとケルティック・ハープが郷愁を誘う"Arpeggio E Fuga"(10)。Enrico Ravaのいぶし銀のペットがたまらないシャルル・トレネの名曲"Que Reste-T-Il"(12)。最後はRitaのピアノとMichel Benitaのベースのデュオによる「未知との遭遇」のモチーフにした"Fragment (Of The Third Kind)"(13)で幕を閉じます。まるで一遍の映画をみたような心持ちにさせてくれます。

楽曲によってはヨーロッパ〜アフリカ〜アジア〜南米等の世界の音楽や、サンプリングやプログラミング、フリーインプロヴィゼーションなど、エクスペリメンタルなエッセンスを作品の随所に散りばめていて、これがいいスパイスになっています。

彼女の生みだした楽曲は「しなやかでいてアグレッシヴ」。すばらしい作曲センスとアレンジメントがほどこされた名曲揃いです。ぼくがグッとくる女性コンポーザーのすぐれた作品には、この「しなやかさとアグレッシヴさ」が同居しているものがおおいようです。

メンバーからしてジャズなのかもしれませんが、ジャズでないかもしれません。色んなエッセンスが詰まっていて「まとまりがない」とおもうひともいるかもしれません。でもこういう作品からエモーショナルなものが産まれているんですよね。

Rita Marcotulli LABEL BLEU hp: 
blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 05:58 * - * - * - -

Paolo Conte / REVERIES パオロ・コンテ

ベンチの端に座って睨みを効かすあやしい男。イタリアのシンガー&ソング・ライター、ピアニスト、画家、弁護士などの肩書きもつイタリア人、パオロ・コンテ。63歳。
イタリア本国ではすでに何枚もアルバムを発表。本作は2003年NONESUCHより発売されたアメリカ・リリース2作目となるアルバムです。ジャズ、タンゴ、スカ、レゲエ、ジプシー&キャヴァレー・ミュージックなど、シアトリカルなサウンドをバックに、トム・ウェイツ級のしゃがれてドシッとしたヴォーカルが、虚と実が交錯する場末のなかの雄々しさと、哀愁を感じさせる激渋な一枚。
本作に収録の'Chiamami Adesso'はJene Birkinのアルバム"Rendez Vous"にパオロとデュオで収録されています。
blancocielo * 音楽:ヨーロッパ * 05:18 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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