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gemma humet / si canto enrere

カタルーニャのギタリストToti solerがぼくらのまわりで俄かに注目されはじめたのがいまから一年ほどまえ。Toti solerのそのおおらかな音楽は、春から夏へ向かうおだやかな陽射しとほどよく湿度のあるこの季節の空気にとても馴染んでいました。そして2014年のぼくの「心の一曲」は、そのToti Solerの2011年のアルバム"Raó De Viure"に収録の'Penyora d'Amor'でした。この曲でその麗しいうたごえを聴かせてくれたのが本作のカタルーニャの女性歌手gemma humet
gemmaは88年生まれ、カタルーニャの音楽学校でジャズを学び、これまで本作でもプロデユース&ギタリストとして参加するPau Figueresとのデュオを中心に活動しているそうです。Toti Soler同様、カタルーニャのその大地と海がはぐくんだ、おおらかさと哀愁を湛えたメロディに、gemmaのの清々しくも憂いのある麗しいうたごえが胸に沁みてきます。


gemma humet hp: http://www.gemmahumet.com/

Gemma Humet - Jo no sé
 
blancocielo * 音楽:スペイン * 06:28 * - * - * - -

DIEGO EL CIGALA / Vuelve El Flamenco-Homenaje A Paco De Lucia

これまでベボ・バルデスとのボレロ・アルバムを皮切りに、アルゼンチン音楽への接近など、フラメンコにとどまらない汎ラテン的なサウンドで魅了してきたスペインの歌手ディエゴ・エル・シガーラの新作は、今年2月に急逝したばかりのフラメンコ・ギターの巨星パコ・デ・ルシアへ捧げられたバルセロナでのライブ・アルバム。カホンとシガーラの歌のみではじまる冒頭曲から、カホンをフラメンコに導入したことで知られるパコ・デ・ルシアへの敬意が伝わってきます。そしてギター、カホン、パルマによるオーセンティックなフラメンコ演奏で曲を重ねるごとに熱気を帯びていくさまに、思わず「オーレ!」と叫んでしまいたくなる。絶好のライブです。

blancocielo * 音楽:スペイン * 16:13 * - * - * - -

Sílvia Pérez Cruz i Raül Fernández / MIRÓ - GRANADA

圧倒的なうたごえをもつひとはどんなジャンルの音楽をやってもぶれることない。スペインはカタルーニャ出身のシルヴィア・ペレス・クルスも間違いなくその類稀なる才能をもったひとり。アンドレス・ベエウサエルトの名作"DOS RIOS"の'Caracol'で耳を奪われたのはぼくだけではないはず。本作は彼女のデヴュー・アルバム"11 de novembre"のプロデュースも手がけているRefreeというバンドのメンバーでもあるラウール・フェルナンデスとの共作。ヴィオレータ・パラ、エディット・ピアフ、ガルシア・ロルカ、フィト・パエス、エンリケ・モレンテ、マリア・デル・マール・ボネット等の詩歌を、ラウール・フェルナンデスのロック〜ポップ・フィールなギターとシルヴィアのうたごえで紡いだ全15曲。
blancocielo * 音楽:スペイン * 16:14 * - * - * - -

Diego el Cigala / Romance de la Luna Tucumana

スペインのカンタオール、Diego el Cigalaの新作。名作"BEBO & CIGALA - Lagrimas Negras"からアルゼンチンでのライヴ・アルバム"Cigala&Tango"まで、彼がとりくんできた中南米音楽への憧憬をさらに深化。アルバム・タイトルとなったユパンキ=アスナールの曲から生前のメルセデス・ソーサのうたごえとの「共演」まで、タンゴ&フォルクローレの名曲にスペイン〜キューバ音楽のエッセンスをほどよくブレンド。またスペインのギタリストDiego Garciaのエレキ・ギターがフィーチャーされ、本作により「渋み」を加える大きな要素となっています。



 
blancocielo * 音楽:スペイン * 05:00 * - * - * - -

Chano Domínguez / Piano Ibérico チャノ・ドミンゲス★

いや〜冒頭からシビレますね。スペイン・ジャズ・フラメンコを代表するピアニスト、チャノ・ドミンゲス。彼の新作はEMIスペインはブルーノートから。久々フラメンコの熱き血潮が漲った好作品です。アルベニス、ファリァ、モンポウ...チャノが敬愛するイベリア半島の偉大な作曲家の楽曲と、オリジナル曲全10曲。ピアノとパルマス(手拍子)、カホンなどのパーカッション。それに数曲ヴォーカルという、ベースレス4人編成。これがチャノの中高音を生かした素早いピアノの運指とパーカッションの「リズム」を際立たせ、激しくパーカッシヴに鳴り響かせます。チャノまるで水を得た魚のよう。ちょっとディープ・ルンバを想いだしました。久々の快新作!

チャノ・ドミンゲスは近年ではオーソドックスなピアノ・トリオ作品や、ややフュージョンよりの作品もありますが、新作”Piano Ibérico”がそうであるように、自信の生まれた土地に根ざした「訛り」のつよいリズム、メロディのほうが俄然グッときます。

おすすめしたい過去の作品は、スペインのレーベルKaronteから発売された90年代から2000年初頭までの諸作品。トマティート、エンリケ・モレンテ等当代を代表するフラメンコ・ミュージシャンと、スペインのジャズ系ミュージシャンが参加。フラメンコに裏打ちされたコンテンポラリー・ジャズ・サウンドを見事に表現しています。楽曲もすばらしく、それに加えてジャケットも素敵。紹介しているKaronte時代の2枚組ベスト・アルバム"1993-2003”はその時代を俯瞰できる好パッケージでオススメです。
Chano Domínguez hp: http://www.chanodominguez.net/
blancocielo * 音楽:スペイン * 05:19 * - * - * - -

Diego El Cigala / Cigala & Tango ★

 以前BEBO&CIGALAで紹介した、スペインのカンタオール、ディエゴ・エル・シガーラ。フラメンコにとらわれない汎ラテン音楽を歌い上げているシガーラが、今年4月にブエノス・アイレスの3000人を収容可能な老舗の劇場"Teatro Gran Rex"で行ったライヴ。スペインで活動を供にするミュージシャンとファンホ・ドミンゲス、ネストル・マルコーニ、アンドレス・カラマロ等アルゼンチンの名うてのミュージシャンをゲストに迎え、ガルデル、ピアソラ、ユパンキ等アルゼンチンのタンゴ〜フォルクローレの名曲を、フラメンコに根ざしたシガーラの声で染めあげた熱演。冷たい夜、これが染みます。
Diego El Cigala hp: http://www.elcigala.com/ 

blancocielo * 音楽:スペイン * 17:38 * - * - * - -

V.A. / Barcelona Postiza

久々にバルセロナのミクスチャーサウンドに触れたんですが、
いや〜痛快です!

マヌ・チャオから連なるサウンドやルンバ・カタラーナ、ヒデキがカヴァーした「YMCA」のスペイン語ヴァージョン... レゲエ、スカ、フラメンコ、ルンバ、ポップ、ヒップホップetc. 勢いあるごゴッタ煮サウンドが全25曲、3分に満たない曲(といってもミックスしていますが)で収録されていて、なんだか清々しい!まだまだオモシロいバンドがバルセロナにはいっぱいあるだってことを再確認!

でも、そんなサウンドを産み出したバルセロナのストリートミュージックが、「公聴法」という法によって規制されているらしいのです。なんともお役所がやることは、どこもいっしょですね。それに意をとなえるべくつくられたのがこのアルバム。是非この心意気を買ってみてください。

関連サイト :
RADIOCHANGO レディオチャンゴ 日本語化計画

Barcelona Postiza myspase
blancocielo * 音楽:スペイン * 05:42 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

BEBO & CIGALA ベボ&シガーラ / Lagrimas Negras

邦題『黒い涙』(2003) 名盤です。
違いのわかるひとにオススメしてきたアルバム(笑)。キューバの超絶技巧派ピアニスト、チューチョ・ヴァルデスの父であるピアニスト、Bebo Valdés ベボ・ヴァルデス(リリース当時御歳85!)と、スペイン・フラメンコ人気歌手Diego el Cigala ディエゴ・エル・シガーラによるラテン・スタンダードを歌った、味わい深いボレロ集。
齢を重ねたものにしか出しえないラテン・ピアノの音色と、哀愁漂うしゃがれたヴォーカル。いや〜ジャケットもさることながら内容も超激シブ。粋な男臭さがプンプン漂っています。

そして脇を固めるのはChanguito(Timbales)、Tata Güines(Conga)、Milton Cardona(Vocals)等、ゲストにPaquito d'Rivera(Sax)、Caetano Veloso(vocal)など一流のミュージシャンたち!それを束ねたのがこの作品で一躍時の人となったJavier Limón ハヴィエル・リモン! 

この作品はスペインから噂が噂をよび、のちにアメリカでも高い評価を得ました。アルバムもDVDがついたジャケ仕様も違う(銀地)ものから、ライヴDVDまでリリース。もちろんジャケ買いました(笑)。

そして2005年に名古屋で開催された『愛・地球博』で奇跡の来日!といってもベボ・シガーラは高齢のため息子のチューチョがピアノ参加。このために仕事休んで行かせていただきました。でも会場の音響が最悪!ライヴ観覧無料とはいえ、これだったら高いお金払ってもいい音で観たかった!

このアルバムをプロデュースしたハヴィエル・リモンはCasa LimónというレーベルをたちあげてLa Negra、Buika、Andrés Calamaro等、好作品を発表しています。これらの作品には通し番号がうたれていて、しかもスペイン盤はデジパック装のようで、マニア心をくすぐります。
blancocielo * 音楽:スペイン * 03:28 * comments(0) * trackbacks(0) * - -
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