Morydjely Kouyate & Jean-Philippe Rykiel / Tinkiso★
2010.12.10 Friday
西アフリカはギニアビサウ共和国のグリオ、モリ・ジェリ・クヤテ。ユッスー・ンドゥールやサリフ・ケイタとの共演、チベットのラマとのコラボレートなど、ワールド・ミュージックを軸に、独特のフレージングで魅了してきたフランスのキーボード奏者、ジャン・フィリップ・リキエル(ソニア・リキエルの息子さん)。二人のコラボレーション・アルバム。
しかしなんと凜とした気高い音楽でしょう。歴史と伝統を受け継ぐグリオの血を引くモリ・ジェリ・クヤテのテノールの力強い歌声。そして彼の声を縫うようにしてジャン・フィリップの熱いピアノが駆け抜ける。ヴォーカルとピアノ、二人のデュオが基本ですが、楽曲によってはラテン・アンサンブルや、ひかえめなギター、シンセなどが加わります。ここではアコースティック・ピアノをメインに弾いていますが、絶妙なシンセ使いもジャン・フィリップならでは。
Morydjely Kouyate myspace: http://www.myspace.com/morydjelykouyate
はじめてジャン・フィリップ・リキエルを知った2003年のこの作品。アフリカ音楽をベースにシンセサイザーを使ったサウンドなのですが、どこか捉えどころがない。フュージョン〜ニューエイジ的でいて、シンセ使いもイナタイ・フレージング。とてもイージーに聞こえるんだけど、でもなにかが残る...ひっかかる。そう、あのアルゼンチンのキーボード奏者のファースト・アルバムのような印象。なぜか気になるひとなのですが、日本では知名度はいまひとつ。
Jean-Philippe Rykiel myspace: http://www.myspace.com/jeanphilipperykiel