Stephan Micus / Bold As Light (ECM2173)
2010.12.11 Saturday
Stephan Micus はアジア、アフリカ、南米をはじめとする様々な民族楽器の演奏を得意とするマルチ・プレイヤー。様々な国の民族楽器の演奏から、コーラス・アンサンブルまでを全部ひとりでやってのけてしまいます。そうとうな頑固者なのかもしれません。ECMから発表されているその作品の数々は、これといって大きな変化があるわけではないのですが、そのブレのないスタンスに、アイヒャーも口を挟む余地はないようです。民族楽器というと賑やかなイメージがあるかもしれませんが、彼のつくるサウンドはまるで彼の理想郷を音に表現したような、とても静謐な空気感の漂う音。
今年発表された新作"Bold As Light"も然り。スタイルはかわらないんですが、本作は最近の諸作のなかでも個人的にとてもグッときた作品です。それは楽曲に使用される笙、能管、尺八などの和楽器や東南アジアの民族楽器が織り成すフレーズがとても僕の琴線に触れたからかもしれません。僕等の生活から遠く離れていってしまった日本的アジア的な音楽空間を、ドイツのミュージシャンによって気づかされるなんて、なんとも不思議でエキゾチック。
Stephan Micus ECM hp: http://www.ecmrecords.com/