Lars Danielsson ラース・ダニエルソン
2010.03.15 Monday
スウェーデンのベース&チェロ奏者、作曲家ラース・ダニエルソン。
北欧のジャズ・シーンでサイドメンとしてもよく目にする人物。その甘いメロディーで多分好き嫌いが分かれるとおもいますが、僕のなかではACTレーベルから発表の彼の作品はどれもハズレなしのミュージシャンです。
Lars Danielsson / LIBERA ME (ACT 2004)
当時人気だったトランペッターNils Petter Molvaer ,個人的に好きなピアニストCarsten Dahl ,ECMでおなじみのJon Christensen等が参加。ですが普通一般的な「ジャズ」という括りではとらえきれません。というのもオーケストラ(DR Danish Radio Concert Orchestra)が大きくフィーチャーされているからなのですが、これがすばらしいのです。
このアルバムを聴いて一番関心させられるのが、ラース・ダニエルソンの作曲です。甘すぎるといえば甘すぎ、クサいといえばクサすぎるほどの叙情性溢れたドラマチックなメロディー、それに輪をかけるように重厚なオーケストラが...それはまるで映画音楽のよう 。ヴァラエティ溢れるこのアルバム一枚が物語のように展開されていきます。そしてCDもSACD Hybridという気合のいれようです。
Lars Danielsson / MÉLANGE BLEU (ACT 2006)
LIBERA MEにも参加しているメンバーに当時「フューチャー・ジャズ」としてクラブ・ジャズ系から熱い注目をあびていたBugge Wesseltoft(piano)、Eivind Aarset (guitar)等JAZZLANDのミュージシャンが参加。前作にもその片鱗をみせていたクラブ・サウンドを視野に入れたサウンドで、前作よりもどちらかというとキャッチーな路線ではないでしょうか。レコーディングはノルウェイはオスロのRainbow StudioのJan Erik Kongshaug 。
Danielsson - Dell - Landgren
/ SALZAU MUSIC ON THE WATER (ACT 2006)
ヴィヴラフォン奏者Christopher Dellとトロンボーン奏者Nils Landgrenとのトリオ・ライヴ。なんかジャケットもパッとしないのでどうかなと思ったのですが、一聴してちょっとため息がでました。
"live and open air at the JazzBaltica Festival at 5:00 a.m.on July 4, 2005" 7月の朝5時に水上特設ステージ(?)での野外ライヴ!! 天井には鉄か石かなにかはわからないですが、「鳴り物」がいくつも吊るされ、風にのって風鈴のように鳴り、鳥たちの美しいさえずりが聴こえてきます。Nils Landgrenのやわらかいトロンボーンの音色とデルのヴィヴラフォン。この空気感に呼応するかのように三人の演奏が繰り広げられます。一部のポスト・ロックにも通じる「静かなる音響系」な作品。こんなすばらしい企画をする Festivalがあるだけでも、ヨーロッパのジャズ・シーンに脱帽です。
Lars Danielsson & Leszek Mozdzer / PASODOBLE (ACT 2007)
お互いの叙情的な美しい楽曲をシンプルな編成で楽しめます。この二人とても音楽的に相性がよさそうです。Leszek Mozdzerはポーランドの女性シンガー、アナ・マリア・ヨペクのバックもつとめていたピアニストで、ポーランドで何枚かアルバムを発表していますが、なかなか入手が難しい。かねてから注目していたのですが、なんと先月来日していたみたいで、かなりショックです。