タンゴにはまったく明るくないのですが、バンドネオン奏者で気になるひとが二人います。一人はECMから素晴らしい作品を発表しているディノ・サルーシ。そしてもうひとりが今回紹介するガブリエル・リヴァーノです。
どちらにもバンドネオン=タンゴという図式だけではあてはまらない南米大陸の豊穣な音楽の一端を垣間見させてくれます。けれどガブリエル・リヴァーノ、巨匠であるディノ・サルーシとくらべて、日本ではバンドネオン奏者か愛好家の方ぐらいしか知名度がないんじゃないでしょうか。
タンゴの作品はもちろんあるのですが、バッハからビートルズまで、バンドネオンでアプローチしているところが、気になるところなのですが、結構あたりはずれが多いようにみうけられます。なのでぼくのお気に入りは以下の2作品です。
僕が最初に知ったアルバムは2000年に発表された"
Porto Segro"という作品。ブラジル音楽を取り入れたサウンド・アンサンブル。後半はエグベルト・ジスモンチの曲をバンドネオンで独奏しています。とてもライトなサウンドで「カラッと」しています。この感触はアグスティン・ペレイラ・ルセーナのアルバム"Acuerdos"の感触にすごい似ている。似ているといえば日本のAcoustic Dub Messengersというインストバンドにも編成のせいか近いものを感じて、以前メンバーの方に訊いてみたのですが、もちろん知りませんでした(笑)。
そしてもう一枚は2007年に発表された"
Luna y Misterio" ★。
このブログでも何度もプッシュしているキケ・シネシが参加しています。
バンドネオン、ギター、ヴァイオリンの三重奏。
一曲目が前出"Porto Segro"の雰囲気に似た、おおらかな曲からはじまり、タンゴ、ブラジル、ミュゼット風からミステリアスな曲までヴァラエティー豊かなモチーフを演奏しています。スタジオ録音というよりホームレコーディングのような録音が、妙な生々しさを出しています。
Gabriel Rivano Official
http://www.gabrielrivano.com.ar/