Chano Domínguez / Piano Ibérico チャノ・ドミンゲス★
2010.12.29 Wednesday
いや〜冒頭からシビレますね。スペイン・ジャズ・フラメンコを代表するピアニスト、チャノ・ドミンゲス。彼の新作はEMIスペインはブルーノートから。久々フラメンコの熱き血潮が漲った好作品です。アルベニス、ファリァ、モンポウ...チャノが敬愛するイベリア半島の偉大な作曲家の楽曲と、オリジナル曲全10曲。ピアノとパルマス(手拍子)、カホンなどのパーカッション。それに数曲ヴォーカルという、ベースレス4人編成。これがチャノの中高音を生かした素早いピアノの運指とパーカッションの「リズム」を際立たせ、激しくパーカッシヴに鳴り響かせます。チャノまるで水を得た魚のよう。ちょっとディープ・ルンバを想いだしました。久々の快新作!
チャノ・ドミンゲスは近年ではオーソドックスなピアノ・トリオ作品や、ややフュージョンよりの作品もありますが、新作”Piano Ibérico”がそうであるように、自信の生まれた土地に根ざした「訛り」のつよいリズム、メロディのほうが俄然グッときます。
おすすめしたい過去の作品は、スペインのレーベルKaronteから発売された90年代から2000年初頭までの諸作品。トマティート、エンリケ・モレンテ等当代を代表するフラメンコ・ミュージシャンと、スペインのジャズ系ミュージシャンが参加。フラメンコに裏打ちされたコンテンポラリー・ジャズ・サウンドを見事に表現しています。楽曲もすばらしく、それに加えてジャケットも素敵。紹介しているKaronte時代の2枚組ベスト・アルバム"1993-2003”はその時代を俯瞰できる好パッケージでオススメです。
Chano Domínguez hp: http://www.chanodominguez.net/