André Mehmari Piano Solo Japan Tour 2011 岡山公演
2011.03.30 Wednesday
「アンドレ・メーマリの来日があったら教えて!絶対いくから」
それは昨年の春。お世話になっているカフェのオーナーからのなにげない一言。
そのときぼくのなかではアグスティン・ペレイラ・ルセーナ岡山公演の余韻と、念願のカルロス・アギーレの来岡公演が奇跡的に決定したばかり。「彼はジョイスのバックとかで来日してるし、いつか東京とかに来るとわかったら教えてやろう」心のなかでは「願来岡リスト」に入っているけど、そのとき実際それぐらいしか思っていなかった。
その年の個人的ベスト・アルバム第一位はアンドレ・メーマリのアルバム"...de arvores e valsas"だった。
2分にも満たない冒頭の曲"Um Anjo Nasce"は、その年の暮、サウダーヂエンタテインメントが主催してくれたDISCTRANSの閉店イヴェントで会場で大音量で流した想いで深い1曲。
この曲にアルバムのすべてが詰まっている。クラシカルな楽曲からジャズ、フュージョン、MPBまで〜ワルツをテーマにしたこのアルバムは、その曲を種子として、物語のように枝葉をのばし、広がりをみせていく。そしてガブリエル・ミラバッシやセルジオ・サントス等ツボを抑えたゲスト陣が彼の美しい楽曲とアレンジメントに花を添える。しかも驚くべきことは楽器のほとんどを彼自身が演奏しているということ。なんという才能。
この作品はカルロス・アギーレの諸作やレーベルで言えばECM、EGEAなど、ジャズやクラシック、ワールド・ミュージックなどの「垣根」を通過したぼくらにとって、ブラジルのステレオタイプなイメージからエレガントに抜けだしたアルバムだった。
そして昨年の夏、それはあるキッチンでの偶然の出会いから始まった。あのときぼくは色んなミュージシャンの名前を「願来岡リスト」からひっぱりだして、とても熱くプレゼンしていたのを覚えている。そのなかにもちろん彼の名前も入っていた。それからほどなくあれよあれよという間に、アンドレ・メーマリの来岡公演は決まっていった。
「音楽が人と人をつなげていく...」これはカルロス・アギーレが来日のとき残していった言葉。願えば叶う。2010年はそれを実感した年だった。
そしてまもなくその願いが、叶おうとしている。
もちろん僕ひとりではなく、名古屋で、東京で、そして岡山で、
日本じゅうで彼を待っていたひとたちの願いが。
けれど、日本じゅうで、そして世界じゅうでいま、おおきな「不安」と「祈り」が溢れている。すくなくともその「不安」をとりのぞかなければ、ぼくらの願いは叶わないかもしれない。
本公演はもちろん、現在日本への招聘、ツアーの手配にご尽力された方々の労力やお気持ちをおもうと、今は本当に複雑な心境です。
あとは彼の来日をこころより祈るばかりです。
André Mehmari hp: http://www.andremehmari.com.br/
André Mehmari Japan Tour HP: http://tanimon.com.ar/andremehmari.html
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André Mehmari Piano Solo Japan Tour 2011 岡山公演