André Mehmari 岡山公演 ご来場ありがとうございました!
2011.04.27 Wednesday
昼下がりの後楽園。その青年は素早いカメラ裁きで、庭園の青葉まぶしい木々や花々を、何枚も何枚も写真に収めていた。「チューリップが大好きだ。」僕でもわかった彼の英語が印象的だった。ピアノに触れるまで、このブラジル人は、知的な匂いと無邪気さをもった普通の好青年だった。
そして満場のお客さんに囲まれ、ピアノを前にしたこの青年は、
ミルトン、カルトーラ、ピシンギーニャ、...ジスモンチ等ブラジルの偉大な音楽家たちの美しい名曲を、量感と緩急を効かした圧倒的なピアニズムで表現していく。いつかみたジスモンチのピアノが若さをとりもどしたかのように。そして次第に彼の弾くそのピアノが街の雑踏をかき消し、僕等の集中力を研ぎ澄ましていった。
いつしか、この地方の小さなカフェの、名もなきアップライト・ピアノが、隅々まで音を溢れさせ、いままで聴いた事のないうたごえで、喜びに満ち溢れ、うたっている!
André Mehmari すごい人を呼んでしまった!
アンコール中、ぼくは抑え切れない涙とともに、心の中でそう思った。
それは彼の圧倒的な演奏だけではない。このすばらしい一夜の演奏は、彼のその才能のほんの一部を披露したにすぎず、二十年三十年後、この青年はブラジルの偉大な音楽家たちのなかに名を連ねることになるだろうと確信したからだ。
André Mehmari Piano Solo Japan Tour 2011 岡山公演
ご来場いただいたみなさま!素敵な時間空間をつくっていただき、本当にありがとうございました!また岡山で宣伝にご協力していただいたみなさまに感謝いたします!いつもありがとうございます!
最後に招聘された三ヶ田さん、そして今回の彼の来日にご尽力いただいたみなさまに、こころより御礼申し上げます。一時は開催も危ぶまれた本公演ですが、みなさまの熱い気持ちが、彼を突き動かしたように思います。ほんとうにありがとうございました!
またこの地で、彼のあのすばらしい演奏を聴けることを夢みつつ。