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La Máquina Cinemática / Música para pantallas vacías ★

アルゼンチンのピアニスト&コンポーザー、Exequiel Mantega によるプロジェクトLa Máquina Cinemática (日本語で「映写機」だそうです)。ピアノ、クラリネット、フルート、オーボエ、バイオリン、チェロ、ギター、ベース、ドラムという編成でのアンサンブル。メロディ&アレンジメントはこのプロジェクト名からも窺えるとおり映画音楽的でドラマチック。アルゼンチン的なエッセンスも随所に散りばめられていますが、あからさまに感じることはありません。むしろ"Amigos"や"Intrusos"にみられるような楽曲からは、ポスト・ロック&クラシカルな影響が窺えます。でも欧米のそれらがもつ「ストイックで温度の低い感じ」はなく、とてもおおらか。ひょっとしたら南米らしさはそこにあるのかもしれません。Exequiel Mantega は1983年生まれ。アルゼンチンからまた新たな才能の登場です。
La Máquina Cinemática myspace: http://www.myspace.com/exequielmantega
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 04:22 * - * - * - -

Tatiana Parra & Andrés Beeuwsaert / Aqui ★

 ブラジルとアルゼンチンの10年代の架け橋となるアルバムが届きました。昨年素敵なソロ・アルバム"Inteira"を発表したブラジルはサンパウロの女性ヴォーカリストTatiana Parra 、そしてAca Seca Trioのピアニストで、2009年にはソロ・アルバム"Dos Rios"を発表、また前述の彼女のアルバムにも参加しているAndrés Beeuwsaert。このふたりのデュオを軸にフルート、チェロ、ギターが楽曲ごとに加わった、シンプルで飾り気のない、とても清楚な作品です。Beeuwsaert のオリジナル曲とChaplin"Luzes da Ribalta(Limelight)"、Dori Caymmi"Estrela da Terra"、Pixinguinha"CARINHOSO"等スタンダード曲と、ブラジルとアルゼンチンのこれからのスタンダードとなるであろう作曲家André Mehmari "Vento Bom"、Carlos Aguirre"Milonga Gris"等ツボを押さえた選曲全13曲。Beeuwsaert のエレガントで情感溢れるピアノにParraの清らかなスキャット&ヴォーカルがすっと体に溶け込んでいきます。
Tatiana Parra & Andrés Beeuwsaert / Aqui hp: http://aqui.bandcamp.com/
Tatiana Parra hp: www.tatianaparra.com.br 
Andrés Beeuwsaert myspace: http://www.myspace.com/andresbeeuwsaert
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 06:41 * - * - * - -

Florencia Ruiz / Luz de la noche ★

 まるでモノクロームの世界から、総天然色の世界へ!
Florencia Ruizの新作。これはぼくのなかでちょっとした衝撃作!
いままでの彼女の作品の僕の印象は、とてもプライベートな、どちらかというと内的世界を写したサウンド・イメージでした。それが本作では一気に外の世界へ飛び出していったような「抜けた」感じ。
ストリングス&ブラス、ドラムス&パーカッション、楽器の一音々々がカラフルに重なり合い、Florenciaの無垢な歌声が駆け抜けていく!蛹から蝶へ!
Carlos Villavicencioという人物がプロデュース&アレンジメントをてがけているのですが、とてもすばらしい仕事っぷり!サルヴァドール・ダリのような顔立ちのこの人物、残念ながら存じ上げません。いったい何者!? 彼女のその美しい羽で、一気に大空に羽ばたかせちゃいましたね。
参加ミュージシャンもJuan Quintero(g&vo)、ウルグアイからはHugo Fattoruso (key)、ブラジルはJaques Morelenbaum(vc)、日本からは会田桃子(vln)等が参加、すばらしいサポートをみせています。
ぼくのなかで、アルゼンチン・ミュージックの風穴が空いた、今年上半期重要作かも。

PaPiTa Musica さんによる、
Florencia Ruiz日本語特設ページは必見!: http://tanimon.com.ar/flor.html

この人も気になる!
Carlos Villavicencio myspace: http://www.myspace.com/carlosvillavicencio
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 03:07 * - * - * - -

Marco Sanguinetti / EL OTRO ★

 アルゼンチンのジャズ・ピアニストMarco Sanguinettiの2011年ACOUA Recordsからのライヴ・アルバム。ピアノ&ドラムスを基本に、ターンテーブル、トロンボーン、ヴォーカル、鍵盤ハモニカ?が曲によって参加。全体的にアグレッシヴな印象で、少しとっつきにくいかもしれません。カヴァー曲ではスピネッタやピーター・ガブリエルの曲をカヴァーしていますが、なんといってもミソはRadioheadの曲をカヴァーしていることでしょう。これはMarcin WasilewskiやHelge Lien等にみられる同時代的なジャズ・シーンの傾向のひとつだと思うのですが、いつかまとめて取り上げてみたいです。
blancocielo * 音楽:ジャズ * 19:12 * - * - * - -

Rolo Rossi / Fogo ★

続いてもShagrada Medraから。Rolo Rossiなるピアニストのソロ・アルバムです。"SERIE PIANO 1a. EDICION"となっているので、ソロ・ピアノ・シリーズのひとつとなるのでしょうか。本作は2009年に録音された作品。アギーレのソロとはまた違った、どこかヨーロピアンな薫りが漂います。けれどアギーレもそうでしたが、録音が堅くならず、でしゃばることもなく、なんとも素朴な音です。Javier Albinもそうでしたが、こちらも淡々とした佇まい。しとしと振る雨、紫陽花...季節がらのせいでしょうね(笑)。
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 17:29 * - * - * - -

Javier Albin / Las Mañanas El Sol Nuestra Casa ★

カルロス・アギーレのShagrada Medraより、Sebastian Macchiとも親交のあるというピアニストJavier Albin のアルバムです。チェロやギター、クラリネット、女性スキャットを加えたアンサンブルからデュオ、ソロまで、淡々とどことなくセンチメンタルに綴ったオリジナル曲中心の楽曲がならびます。一曲アギーレの"La Espera"をカヴァー、アギーレもそうなんですが、このこまやかな"水の音"や"シンセ遣い"がとてもいいですね。この季節にぴったりかもしれません。
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 16:50 * - * - * - -

Liliana Herrero / ESTE TIEMPO ★

 リリアナ・エレーロの約3年ぶりとなるアルバムが届きました。本作はベースにAriel Naón、パーカッションにMario Gusso、リード奏者にMartín Pantyrer、ギターにPedro Rossiを起用。
Carlos Aguirre、Diego Schissi、Juan Falú、Luis Alberto Spinetta、Hugo Fattoruso、Ruben Rada等、現代アルゼンチン、ウルグアイのポップスからジャズ、コンテンポラリー・フォルクローレを代表するミュージシャンの佳曲をカヴァー。
毎度のことながら、そのミュージシャンの起用、選曲&深いコクに彩られたアレンジメントの妙。それらすべてを彼女の圧倒的な「うた声」でモノにしてしまっています。
Liliana Herrero hp: http://www.lilianaherrero.com.ar/

1. TU NOMBRE Y EL MIO (Lisandro Aristimuño)
2. ANTIGUO BARRACON (Ramón Ayala)
3. NUEVA (Hugo Fattoruso)
4. BAGUALERITA (Luis Alberto Spinetta)
5. ABC (Edú Lombardo)
6. SE ME VA LA VOZ (Guillermo Klein)
7. FADA (Juan Falú)
8. DULZURA DISTANTE (Fernando Cabrera)
9. A PURO FIERRO (Juan Falú)
10. UN PUNTO SOLO EN EL MUNDO (Diego Schissi)
11. LAUREL (Juan Falú y Jorge Marziali)
12. TEMA DEL HOMBRE SOLO (Jaime Roos)
13. AUSTRAL (Ruben Rada)
14. SUEÑO DE ARENA (Carlos Aguirre)
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 07:19 * - * - * - -

藤本一馬 / SUNDANCE ★

 昨年、カルロス・アギーレ東京公演の打上げに参加させていただいたとき、藤本一馬さんにはじめてお会いしました。お互い音楽と酒に酔っていましたが(笑)、そのとき熱く音楽のことを語る姿が、とても僕の印象に残っていました。
藤本さんは人気ユニットorange pekoeで作編曲&プロデュースを担ってきたギタリスト。恥ずかしながら日本のポップ・シーンに全く疎く、テレビやラジオで耳にする程度のシロウトで恐縮なのですが、あのときの彼の印象はここに結実していたのだなぁと、彼のこのソロ・デヴュー・アルバムを何度も聴き返しながらおもいます。
本作は彼のギターにパーカッション(岡部洋一)、ベース(工藤精)が参加し、ソロ&トリオで一発録音されたインストゥルメンタル・アルバム。どこか北米の乾いた大地を想わせるようなドライで牧歌的、そして叙情性と熱情を孕んだサウンドは、そうパット・メセニーやラルフ・タウナー等のサウンドから抱く風景とどこか似ています。
ジャズ、フォーク、ワールドミュージック等耳の肥えたリスナーに、先入観なしで是非聴いて頂きたい好作です。
藤本一馬 hp: http://kazumafujimoto.com/

1. 海への祈り 
2. 空のように 
3. Harmony Ball 
4. 山の神様 
5. やじろべえ ~a balancing toy~ 
6. こころの瞳 
7. SUN DANCE 
8. Blue Light

藤本一馬/ Kazuma Fujimoto: Acoustic Guitar
工藤精/ Show Kudo: Acoustic Bass
岡部洋一/ Percussions
blancocielo * 音楽:日本 * 14:48 * - * - * - -

ryan teague / causeway

 イギリスはケンブリッジの作曲家ryan teagueの2作目となる作品がsonicpiecesから発売になりました。一聴しただけでライヒ=メセニーを想い起こさるミニマル・ミュージック。彼自身による6&12弦ギターによるフィンガー・ピキング・ギターの演奏を中心に、ループ&多重録音等を施した作品は、ライヒ=メセニーのどこかサイケデリックなモアレ感よりも、ぐっとナチュラルで情緒的なものを感じさせます。マスタリングはNils Frahm。
blancocielo * Post-Classical * 17:46 * - * - * - -
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