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New Zion Trio / Fight Against Babylon ★

 いいっすねぇ〜このピアノ・トリオ。ルーツ・レゲエ、ダブを昇華したサウンドがじつに心地良い!TZADIKなどからアルバムを発表しているピアニストJamie Saft、ブラッド・メルドーやマーク・ターナー等多くのジャズメンのから支持されているベーシストLarry Grenadier、レゲエ、ダブ、ファンク等多様なジャンルのミュージシャンのツアー・サポートをこなすドラマーCraig SantiagoによるNYキングストン発のトリオNew Zion Trio。一聴して飛頭やジョン・ハッセル×ライ・クーダーとか思い出しちゃうわけです。これは幅広い層に聴いてほしい!
blancocielo * 音楽:ジャズ * 06:22 * - * - * - -

東野珠実 / ブリージング・メディア 〜調子〜

 この前のベト・カレッティの岡山公演の前に開かれたギター・ワークショップの時の話です。ベトは生徒さんたちに「呼吸」について語り始めました。そしてみんな同じ呼吸でワンコードを弾いてみると、驚いたことに、音が良くなったのです!まさに「息が合う」。それから僕のなかでは「呼吸と音楽」があたまのなかで、モヤモヤとしていたのでした。
「やはり音楽とは、呼吸だと思うんですよね。....」
そんな矢先、フリーペーパーINTOXCATE#94で僕の目に止まったのがこの笙・竽奏者の東野珠実のアルバムのインタビュー記事でした。「日本音楽の古典史上最高峰、雅楽の大曲「調子」を世界初全曲録音!!」したという2枚組の大作。「調子」は、雅楽の春夏秋冬を表す楽曲の「心理的な調律」を促す楽曲だそうです。一曲10分~20分前後の笙・竽の独奏による長尺の曲が並びます。ゆるやかに「息を合わせていく」。これ今風にいえばアンビエント〜ドローンだと思うんです。1000年以上続いているこの日本のアンビエント〜ドローンは、奏者もしくは聴衆を、呼吸を介した楽器によって四季折々にチューニングさせているんですね。


blancocielo * 音楽:日本 * 05:30 * - * - * - -

ILLUHA / Shizuku ★

 「seiya...」濃霧の音の中からたちあらわれた一ノ関忠人による日本の言葉にハッとさせられた。そして緩やかに深い感動を覚えた白昼夢...。多分キリストのことを詠んでいるのだろうけれど、ぼくの頭のなかで現れたのは、何故だか日本の四季の風景だった。五七五七七、五七五七七... この言葉のリズムって、呼吸って、すでに、僕(等)にはとてもエキゾチックで美しい。
アメリカとブラジルで生まれ、日本で育ったという二人によるユニットilluhaによる本作「雫」は、エクスペリメンタルな音響とギターやピアノ、チェロ、フィールドレコーディング等が教会という空間で、有機的に絡まり「情緒」を漂わせている。特に「聖夜」は、彼らと日本との距離感から見出された、白眉の楽曲ではないだろうか。

blancocielo * Experimental * 03:51 * - * - * - -

10月21日 Moreno Veloso Solo Tour @城下公会堂

             















[ライブ] Moreno Veloso Solo Tour(モレーノ・ヴェローゾ ソロツアー)

[会場]  城下公会堂 岡山市北区天神町10-16城下ビル1F

[日時]  2011年10月21日(金)

[時間]Open_19:30 Start_20:00

[料金]Adv_¥4,000- Day_¥4,500-(別途1ドリンク¥500-)

[チケット取扱店]城下公会堂、GREENHOUSE倉敷、GREENHOUSE岡山 他
・TEL予約 086-234-5260 (城下公会堂)
・メール予約 moderado music (info@moderadomusic.com)
[問合せmoderado music (info@moderadomusic.com)

モレーノ・ヴェローゾ ソロツアー 公式サイト: http://moreno2011.jugem.jp/

【Profile】
1972年11月生まれ、カエターノ・ヴェローゾの長男。9歳のとき、カエターノのアルバム『コーリス、ノーミス』に参加、親子で共作した「Um Canto de Afoxé para o Bloco do Ilê」(バイーアのブロコ・アフロ、イレ・アイェ讃歌)を歌ったのがレコーディング・デビュー。1991年、カエターノのアルバム『シルクラドー』に参加し「イタプアン」を歌う。

大学で物理学を専攻し、幼なじみのペドロ・サー(ギター),カシン(ベース),ドメニコ(ドラムス)ら同世代の友人たちとリオのオルタナ・ライヴ・シーンで活動を始め、伝説のエキスペリメンタル・ポップ・バンド、グッドナイト・ヴァルソーヴィアを結成。1996年、アート・リンゼイのバンド・メンバーとして初来日した。1997年、父カエターノの名盤『リーヴロ』に、バイーアのサンバ・ヂ・ホーダに根ざしたオリジナル曲「How Beautiful Could A Being Be」を提供。

2000年、ドメニコ、カシンとのトリオ、モレーノ+2名義でファーストアルバム『マキナ・ヂ・エスクレヴェール・ムジカ(タイプライター・ミュージック)』を発表。ブラジル・ネオ新世代の旗手として注目を集め、2001年にモレーノ+2で来日。2006年にモレーノ=ドメニコ=カシン+2で、2007年にはアドリアーナ・カルカニョット=モレーノ=ドメニコ=カシンのユニットで来日。2008年、ブラジル現代美術展「Blooming:ブラジル - 日本 きみのいるところ」(豊田市美術館)に島袋道浩(Shimabuku)のコラボレーションで参加。同年8月に来日し、同・美術館講堂および東京にて、生涯初となるソロ・ライヴを行なった。

また2002年に発足したビッグバンド、オルケストラ・インペリアルではリード・ヴォーカル勢の一角を担い、2007年にファーストアルバム『カルナヴァル・ソ・アノ・キ・ヴェン』を発表。

近年はアドリアーナ・カルカニョットとの共作、共演をはじめ、コンポーザーとしてガル・コスタ、ホベルタ・サー、ニーナ・ベッカーらの女性歌手に曲を提供。父カエターノのアルバム『セー』(2006年)『セー・ライヴ』(2007年)『ジー・イ・ジー』(2009年)『MTVアオ・ヴィーヴォ:ジー・イ・ジー』(2011年)のプロデューサーも担当。

日本の音楽家との交流も深く、高野寛、小山田圭吾(コーネリアス)、嶺川貴子、Saigenji、Akiko、安田寿之らとライヴやレコーディングで共演。2007年の来日の際は、Akikoとモレーノ=ドメニコ=カシンのユニットで「Fuji Rock」にも出演した。

ギター、チェロ、パンデイロなどのパーカッションを演奏するマルチ・インストゥルメンタル・プレイヤー、繊細な歌声のヴォーカリスト、そしてコンポーザー、プロデューサーとして活躍しているが、その音楽性と脱力のたたずまいは、あくまでも自然体。故郷バイーアの風土に根ざしたサンバの歌/演奏/ダンスも見もの、聴きものである。


●来日記念・限定ライヴ盤
Moreno Veloso Solo in Tokyo
モレーノ・ヴェローゾ ソロ・イン・トーキョー

(ARTENIA / HAPPINESS RECORDS  HRCD-042)

カエターノ・ヴェローゾのDNAを受け継ぐブラジル音楽界のサラブレッドであり、シンガー/ギタリスト/パーカッショニスト/コンポーザー/プロデューサー としてマルチに活躍しているブラジル・ネオ新世代のキーマン、モレーノ・ヴェローゾ。2011年の来日ソロツアー(10月15日〜30日)を記念して、 2008年8月に豊田市美術館と東京で行なったキャリア史上初のソロ・コンサート最終日(8月19日、東京プラッサオンゼ)のライヴ盤を限定発売します。
アコースティック・ギターの弾き語りを中心に、曲によりパンデイロも演奏。父カエターノとの共作を含むオリジナル曲をはじめ、モレーノの来日中に94歳で大 往生したバイーアの音楽文化のシンボル、ドリヴァル・カイミの作品、バイーアのサンバ・ヂ・ホーダ、オロドゥンやイレ・アイェといったバイーアのブロコ・ アフロの名曲、さらに友人・高野寛の作品(歌詞は日本語!)など15曲を収録。2チャンネルのダイレクト録音で、加工や修正はいっさい行なっていない、 ピュア・アコースティック・ライヴです。モレーノ+2名義で発表した『タイプライター・ミュージック』以来、10年ぶりとなるセカンド・アルバムです。
blancocielo * 主催イベント * 05:42 * - * - * - -

MINGUI INGARAMO / PATAGONIA ★

「インガラモ」という言葉で「インガラモ兄弟」を思いだすひとはそうはいないと思います。以前紹介したMELOPEA DISCOSの企画盤"UN CAMINO DE SABIDURIA" に参加し、当時国内オビ付輸入盤で発売されていたため、日本語で「インガラモ兄弟」と書かれ、それがとても強烈なインパクトを残していたのでした(笑)。そして先月末の東京出張の際、取引先でINGARAMOという言葉をみつけたとき、久しぶりにお宝を見つけたときの興奮を覚えました。その兄弟のひとりピアニストのMINGUI INGARAMOがなんとアルバムを発表していたのです!アグスティン・ペレイラ・ルセーナのまろやかさ。アギーレのメランコリックなピアニズム。アルゼンチン独特のフュージョン&プログレッシヴ感。そしてこのギリギリのイナタイシンセ遣い...たまりません。
しかしMELOPEA DISCOS、まだまだ「お宝」が眠っていそうな気がしてなりません。このレーベルにはアルゼンチン・ミュージック・シーンのもつ得意なエッセンスが色濃く現れているとおもうのですが、どうも玄人好みのようです。
MINGUI INGARAMO/PATAGONIA myspace: http://www.myspace.com/luminosarecords
blancocielo * 音楽:アルゼンチン * 16:36 * - * - * - -

황병기 Byugki Hwang / 춘설 Spring Snow

あれは2002年日韓ワールドカップ、開催直前に僕は先輩とセミ・ファイナルのチケットを買ったのだった。それと同時に韓国行きののチケットも買わなければならなかったが...「ドイツ対韓国」まったく予想だにしなかった対戦カードが決まったとき愕然とした。試合内容すら忘れてしまったが、あのときの赤く染まったソウルの街は忘れない。海をちょっと隔てただけの大陸と島国の違いを思い知らされた3日間だった。
もちろんCD屋も覗いた。あのときに遠くまで案内してくれた若い子の礼節、そしてよくある地下街のレコード屋に、ECMのコーナーがあり、自国の伝統音楽のコーナーが充実してあったことも忘れない。
そのとき買ったのがこの一枚、韓国の琴カヤグム奏者のアルバム『春雪』。日本の琴の音よりもコブシが効いていて、地に足の着いた音。ジャケット写真からその音楽のスピリチュアリティを感じとることができる。この装丁がすばらしい。そして112ページのブックレット、韓国語、英語、仏語、そして日本語による解説付。もちろんそんなに売れるとは思えないが、自国の伝統音楽を世界に伝えようとするこの姿勢に感銘。ぼくらのすむくにで、録音から装丁までこれだけの高い志で取り組んでいるレーベルがあればどうか教えてほしい。
 
blancocielo * - * 04:02 * - * - * - -
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