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伊藤ゴロー / GLASHAUS ★

 この音楽が届いた瞬間、ぼくはとおい入道雲をみた。

 この音楽が届いた瞬間、ぼくは芭蕉の一句を詠んだ。

 そしてぼくは、ちょっとセンチメンタルになった。

この春発表された伊藤ゴロー氏のソロ・アルバム『 GLASHAUS 』は夏の風景がよく似合う。せわしく啼く蝉の声と、夕暮れ時の西日を浴びた入道雲の静かな夏の憧憬。そしてぼくには芭蕉の有名な一句が浮かんできた。「閑さや岩にしみ入る蝉の声」。

淡々と、そして精緻な素描のように爪弾かれるゴローさんのギター、そこにJaques Morelenbaum(cello)、Andre Mehemari(piano)、Marcos Nimrichter(piano)、Jorge Helder(bass)、Bernardo Besseler(violin)等名うてのブラジル人ミュージシャンたちが、上品な色彩を添えていく。そのキャンバスに描かれた作品には「ブラジルらしさ」というよりはむしろ、日本的な情緒が垣間見えてくるから不思議だ。スタティックでドラマティック。まるで行間を読むようなゆったりとしたテンポのなかで、ぼくはちょっと感傷的になってしまった。

ボサノヴァからポップ〜ロックまで、その柔らかな物腰で表現してきたゴローさん。
本作はその流れからすれば意外かもしれないが、ぼくにはとても腑に落ちるものだった。
そしてまったく個人的な思い入れなのだが、本作はDISCTRANSへのオマージュのような気がしてならい。

ゴローさんが駆けつけてくれた2008年暮のサウダーヂ・エンタテインメント主催によるDISCTRANS閉店イヴェント『WONDERFUL "DISC TRANS" WORLD』で急遽参加していただいた際、確か最後に購入していただいたのがAndré Mehmari「...de arvores e valsas」だった。そして2010年、André Mehmariの岡山公演とNAOMI & GORO & 菊地成孔Calendula」でのAndré Mehmariの参加。ぼくのなかでその点が線となり、その延長線上に本作が届いたのである。

そしてある打ち上げ(「秋は夕暮れ」だったか)でDJをさせていただいた時、Mauro Refoscoの「Seven Waves - Sete Ondas」に真っ先に反応したのもゴローさんだった。そのアルバムと本作のニュアンスの似ているところをあげるとするならば、曖昧だが「どこか遠くを見つめている」音楽ということだろうか。それはぼくのなかでは入道雲だったり、遥か遠い地だったり、DISCTRANSだったりする...

そして夏を告げる蝉の声と雲を見つめながら、本作を聴いている。

GLASHAUS 特設サイト: http://www.goroito-glashaus.com/
blancocielo * 音楽:日本 * 05:59 * - * - * - -

JESSE HARRIS / SUB ROSA ★

以前 TZADIKから発表されたインストゥルメンタル・アルバム「COSMO」を紹介したNYのシンガー&ソング・ライターJESSE HARRISの6作目となる新作『SUB ROSA 』が届きました。これはぼくがこれまで聴いてきた彼の作品のなかでも特に好きな作品となりそうです。もちろん彼の本領を発揮した「風通しの良い」ポップ・サウンドは健在なのですが、この風はやはりNYではなくリオの風だからでしょうか。 
というのも本作はブラジルはリオで録音。ダヂをはじめとするブラジルのMPBを牽引する、名うてのミュージシャンとともに結成した"RIo Band"とともに録音に望んだそうです。しかしながらブラジル音楽らしさはこれっぽっちも感じません。むしろフレンチ・ポップのような風合いすら感じます。このちょっと風をいれかえてみる肩肘張らない普段着感覚がいいですね。ノラ・ジョーンズ、メロディ・ガルドー、ビル・フリゼール、マリア・ガドゥ等の豪華ゲスト陣にも目をひきますが、ぼくとしてはマラカスで参加したヴィニシウス・カントゥアリアやパーカッション等で参加したマウロ・レフォスコの等NYのフィルターを通したブラジル・ミュージシャンの参加も見逃せません。2曲短いインストゥルメンタル曲がはさまれているのですが13曲目の「You Used To Call Me」のこういう感じってぼくとしては堪らないんですよね。
JESSE HARRIS / SUB ROSA hp: http://www.jesseharris.jp/

JESSE HARRISは只今来日ツアー中です。すばらしい新作『GLASHAUS』を発表したばかりの伊藤ゴローさんのフロントアクトが何公演かあるというのも、なんだか心憎い。
blancocielo * - * 17:42 * - * - * - -

7月17日(火) OKI solo live @城下公会堂

 photo:森孝介
夏、トンコリ、宇宙。
OKIさんが7月岡山にソロで帰ってきます!
トンコリを堪能できるソロライヴを是非!

[ライブ]OKI
[日時] 2012年7月17日(火)
[時間]Open_19:00 Start_20:00
[料金]Adv_¥2,500- Day_¥3,000- (別途1ドリンク¥500-)
[会場]城下公会堂
[チケット取扱店]城下公会堂 / Padang Padang / shuri / Deco’s Kitchen /
           Quiet Village Curry Shop / GREENHOUSE
[TEL予約・問合せ] 城下公会堂
・TEL予約・問合せ 086-234-5260 (城下公会堂)

OKI(オキ)
アサンカラ(旭川)アイヌの血を引く、カラフト・アイヌの伝統弦楽器「トンコリ」の奏者。アイヌの伝統を軸足に斬新なサウンド作りで独自の音楽スタイルを切り拓き、知られざるアイヌ音楽の魅力を国内外に知らしめてきた稀有なミュージシャン/プロデューサー。ソロおよび、OKI
DUB AINU BANDでこれまで世界各地をツアー。昨年は、ランキン・タクシー &
ダブアイヌバンド名義で発表した反核ソング「誰にも見えない、匂いもない
2011」が各国のメディアで紹介され話題に。また、カナダの先住民系ダンサーとのコラボ舞台「Susuriuka」の日本/カナダ公演、影絵作家ラリー・リードとの新作「アイヌ影絵」公演、沖縄民謡の唄者・大城美佐子との共作アルバム「北と南」などその活動は幅広い。2013年にはOKIのドキュメンタリー映画「DUB&AINU」(仮題/企画・製作 シネグリーオ)が公開予定。
www.tonkori.com
blancocielo * 主催イベント * 03:55 * - * - * - -

トウヤマタケオ × 徳澤 青弦 ピアノとチェロの音楽会



トウヤマタケオと徳澤 青弦。
もし、二人が一緒に音作りをしたならどんなものが出来るのだろうか。
どんな音なんだろうか?生音で聞いてみたいなあ・・・
こんな考えが年末からずっとありました。

2012年、cote laboのツアーはこのお二人のミニツアーから始まります。
ピアニストとして、円熟味と純粋さのバランスが秀逸なトウヤマタケオ。
NEW AGE 〜 歌謡曲シーンに至るまで、艶かしい音のチェリストとして様々なプロジェクトに参加している徳澤 青弦。
今回は互いのソロ公演だけではありません。
二人による即興演奏を予定しています。

初日の岡山では、二人と共に週末の始まりを。
大阪の小さなギャラリーでは、七夕の夜にふさわしい音楽会を。
金沢のお寺では、靴を脱いで畳の上でのんびりと音楽に耳を傾ける夜を。

二人が作り出す、まだ誰も知らない音楽を聞きに是非お越しください。

トウヤマタケオ
音楽家。クラシック、ジャズ、ロックに触発された独自の室内楽を創作。ドイツのエレクトロニカレーベル、Karaoke-Kalk からのリリースも2作品ある。
ライブ形態はピアノソロからフルート、マリンバなどを加えたカルテット、そして最大11人編成によるトウヤマタケオ楽団とさまざま。またピアノ奏者としての客演やアレンジャーとしても活動。主な録音・ライブ参加アーティストは、EGO-RAPPIN'、中納良恵、高木正勝、SAKEROCK、mama!milk等。2009年には画家nakabanのアートアニメーション「der meteor」(noble)の音楽全編を担当。
油彩画の温かさと相まった珠玉の楽曲は各方面から高い評価を得る。
昨年9月に発表したピアノソロ作品集「Waltz in March」はロングセラーとなっている。


徳澤 青弦(とくざわ せいげん)
1976 年生まれ、東京出身。チェリスト・作曲・編曲家。
たくさんの著名アーティストとレコーディングやライヴサポートをするかたわらanonymass、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール、ASA-CHANG&ブルーハッツ、world’s end girlfriend & POLTERGEIST ensemble、UooB などでバンド活動をする。
また、2001 年以降コメディアンのラーメンズの音楽を担当している。
2007 年「ラーメンズサントラVol.1」リリース。2008 年「ポツネンの音楽」リリース。
2011 年「ポツネンの音楽その2」リリース。


[ライブ]トウヤマタケオ × 徳澤 青弦
[日時] 2012年7月6日(金)
[時間]Open_19:00 Start_20:00
[料金]Adv_¥2,500- Day_¥3,000- (別途1ドリンク¥500-)
[会場]城下公会堂
[チケット取扱店]城下公会堂, サウダーヂな夜, shuri, ahai, Deco's Kitchen
・TEL予約・問合せ 086-234-5260 (城下公会堂)
・メール予約 info@saudade-ent.com 

blancocielo * 主催イベント * 04:36 * - * - * - -
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